講演会#7 レクチャーレポート

2018年11月17日(土)、7回目となるアーキバウのレクチャーが開催されました。

今回のゲストは、な、なんと2人の講師をご登壇いただきました。

一人目ゲストは、建築学科のOBであるstudio niko(スタジオ ニコ)の笹本直裕さん(元bluestudio所属)。

では、早速見ていきましょう!

 

笹本さんのstudionikoは、2015年、佐藤研也さんと共に設立されました。

建築を軸に、都市やランドスケープ、プロダクト、文化やアート、不動産などの多様な分野を横断し、仙台、東京、時折アムステルダムでも、ご活躍されているようです。

以前は、bluestudioで、リノベを主軸としたプロジェクトに約400件ほど関わっていたとのこと。団地再生、戸建群、軽鉄プレハブアパートなど多岐にわたるプロジェクト。大変びっくりです。

その後、独立されたあとのプロジェクトについて詳しく、ご紹介していただきました。

まずは、有名メーカーの自動車整備工場の設計。ここでは具体名は差し控えさせていただきますが。

自動車のショールームといえば多くの人から見えるように、大通りに面し、一面ガラス張りの建物が多い。しかし、笹本さんは今回は大通りから一本裏道の工業地域に整備工場兼ショールームの建物を建築。これによってコストを抑えつつ、クライアントの要望を応えることが可能に。

通常の視点から変えて、コスト面を考慮しながらクライアントの要望に応えて事業化していくというお話は、とても実務的で興味深かったです。

続いて、ご自身の事務所で現在関わっているプロジェクトのお話が。まずは大田区での活動を紹介していただきました。

大田区のマチノマ大森では、ショッピングモール内にキッチン×工房×ラウンジを掛け合わせた共用スペースを設計。その際、偶然にも(!?)プロジェクトメンバーに千葉大生OBが数名いて、プロジェクトが円滑に回っていたとか。

このような千葉大学同士の繋がりが仕事に直接的に活きてくる話は貴重なお話でした。

このような(アーキバウのような)学科関わりなく、世代を超えた活動が社会においても重要ですね。

最後は、デジタルファブリケーションを使用した家具の提案について。

鎌田地域での地元企業と共同した技術で、家具を設計をしているとのこと。

私には、建築家の職能が、多様な分野に広がり、無限の可能性を秘めているように感じました。

さらに、活動拠点の技術を活用したことで、地元活性化へ繋がっているのも面白いですね。

ここで笹本さんのお話は終了です。

 

 

ここからは二人目のゲストにバトンタッチ。

ゲストは千葉大学OBのt.i.d.a.,Inc(ティーアイディーエー)の井上さんです。では見てみましょう。

 

井上さんは、卒業後、展示会などの設計を行う会社に就職。

年間150件ほど仕事をこなし、多忙な毎日だったそうです。

頭より先に、手を動かしていくようなスピード感でのお仕事だったと本人も語っておられました。

同じ会社の中で、2~3年後には展示会だけではなく、企業開拓も含めたEVENT企画なども行う立ち位置に。

本来、デザイン設計を主とした会社に勤める場合、経験を積むに連れ、展示デザインをするデザイナーから、展示会等の企画の構想を練るプランナー、そして全体をマネジメントする管理職としてのプロデューサーへとなっていくとのこと。

しかし、井上さんは、マネージャーという立ち位置で、組織を管理していくことよりも、自分自身がプレイヤーで居続けたいとの思いからデザイナーでいることを決断し独立。独立後はメーカーの展覧会を中心に、空間設計はもちろんのこと、イベントの構想まで、企業の実現したい思いを多面的に形にするべく、現在のお仕事をされています。

展覧会などのお仕事では、人を魅了する表現がもっとも重要であり、そのためにはデジタル技術の応用は外せないと語られていました。

スマホなどのIoT化などに即座に対応し、それをいかに空間に落とし込み、お客様に楽しんでいただけるかを考えます。

空間の中に様々な技術や分野がインストールされていくのが面白いですね。

 

このように今回お招きしたゲストのお二人方は、同じ学年で同じ建築学科を卒業して、全く違う道へと進んでいる。

笹本さんは建築家でありながら、地域に即しながらまちづくりも視野に活動されており、井上さんはデザイナーでありながら、発信力やデザイン力の高く、テクノロジーも駆使したイベント企画まで活動されている。

このように異なる立場で、ものづくりに関わっているお話は対極的で面白かったです。

今回は盛りだくさんのアーキバウレクチャー#7となりました。

最後に学生方の様子を見てみましょう。

 

今回もたくさんの学生が集まっていただきました。

質疑応答では、独立のお話や、学生時代のお話など…様々な最後は、恒例の集合写真です。

今回は学外の参加者もきていただいたようです。

今後も、このような在学生とOBが関わりを持ち、学科関係なく繋がりが広がって行くと良いですね。

今後のレクチャーシリーズの活動も楽しみです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回、アーキバウレクチャー#7の活動レポートは工学部都市環境システムコース4年の島田が担当させていただきました。

レポートでわかりづらい点もあった方は、ぜひ一度、アーキバウレクチャー#8にお越しいただき、直接自分の目で体験してみてください。学校では学べない内容ばかりの1時間になるはずです。

では次回のレクチャーでお会いしましょう。それでは!